HDDとSSDの寿命は気になる方へ。
- 「最近動作が遅くなって来た」
- 「よくフリーズする」
など長年使っていると不調が出てくることもあるでしょう。
しかし、それがHDDやSSDに問題があるのかどうかはフリーソフトなどで診断してみないとわかりません。
ここでは経年劣化に伴う買い替えを検討する目安として、
それぞれの寿命について構造の違いや仕組みについて解説します。
そして、長持ちさせるためにそれぞれの使い方についても考えていきます。
HDDとSSDの寿命はどれくらい?
HDDとSSDの寿命(耐久性)は、使用用途や使い方によって前後します。
劣化は電源を入れた時から開始します。
一般的な製品の性質上では・・・
- HDDの寿命は約3年
- SSDの寿命は約5年
と言われています。
SSDの方がHDDよりも数年は長持ちすることが分かります。
この違いはなぜ生まれるのでしょうか。
構造の違いから見ていきます。
HDDとSSDの構造の違い
(出典:“HDD SSD” by Stratageme.com is licensed under CC BY-NC-SA 2.0)
このHDDとSSDの寿命の差は、なぜ生まれるのでしょうか。
それはそれぞれの構造に違いがあるからです。
そして、その大きな違いは以下の通りです。
- SSDは稼働部分が無い
- HDDは稼働部分が有る
SSDは可動部分が無く、USBメモリのようにICチップが半田付けされており、軽量で衝撃に強いです。
一方でHDDはプラッタと呼ばれる円盤のディスク、プラッタに書き込む磁気ヘッドが稼動部分が有ります。
そして、ディスクの回転数、キャッシュサイズ、消費電力が異なります。
HDDの電源が入っている間はずっと、このプラッタと磁気ヘッドが動き続けます。
HDDに電源を入れていると、カリカリっという音が聞こえるのはこのためです。
物理的にディスクに書き込んでいくため、可動部は時間と共に耐久性が進みます。
さらに衝撃や振動が加わるとさらに寿命を縮めてしまいます。
SSDはチップのセルの違いで耐久性が変わる
(出典:Kingston)
SSDの寿命は約5年です。
寿命は、SSDに搭載されているNAND型フラッシュメモリ(チップ)のセルの違いでも耐久性が異なります。
セルの違いとはどういうことなのか、その種類と耐久性を見ていきます。
セルの種類と耐久性
セル(Cell) | ビット | 耐久性 |
---|---|---|
SLC (Single Level Cell) | 1bit | 高い |
MLC (Multiple Level Cell) | 2bit | 普通 |
TLC (Triple Level Cell) | 3bit | 低い |
QLC (Quadruple Level Cell) | 4bit | 低い |
セルはデータを保存するユニットでbitで表されます。
1セルに1bit(0か1)、2bitなら(00~11)、3bitなら(000~111)、4bitなら(0000~1111)のように記録できるデータ容量が変わります。
一般的に記録できる容量(ビット)が小さい程、書き込みの耐久性・信頼性・速度は高くなります。
この中ではSLCが最も耐久性のあるセルになります。
HDDとSSDの寿命を早める使い方
HDDは約3年、SSDは約5年の寿命があると説明しました。
しかしながら、これはあくまでも目安で使用用途によって、さらに寿命を早めてしまう可能性があります。
ここではどういった行為がストレージデバイスの寿命を縮めてしまうのか、事前に把握しておくことで少しでも長持ちさせるように考えます。
主に以下のような2つが寿命を縮める原因です。
- 常時大量のデータを一度に取り扱う
- 電源を頻繁に切り替える
このような使い方をすると故障する確率は高くなります。
具体的に、次のような使用方法によって耐久性は悪くなります。
- テレビ用ないのに大量データの書き込み
- 常時読み書きするサーバー
- 頻繁に電源をON / OFFする
- 強い衝撃や振動を繰り返し与える
- 強力な磁力の側に置く
もちろん、HDDはSSDのようなストレージデバイスは大量データを扱うためのものです。
しかし、HDDの場合はデータ量を処理できる能力はディスクの回転数、キャッシュサイズ、消費電力で変わってきます。
そのため、2.5inchで回転数は高いもののキャッシュが少なかったり、3.5inchで回転数が低いがキャッシュが多かったり、消費電力が違ったり、それぞれ性能が違います。
性能が足りないにも関わらず、使用用途を間違えてしまうと寿命が早く来ることになります。
「安いからテレビ用に使う」、「古いけど使わないのは勿体無いからサーバー用にしよう」というような使い方は好ましくありません。
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